ちょっと小説にして、勉強方法を伝えられないだろうか?とふと思って書いてます。(やめるかもしれません。)
第2話 センター42日前
ジリリリリ…
けたたましい音で目覚ましが鳴る。
昨日はギリギリ予定をクリアすることができた。
相変わらず、睡眠不足感が否めない。
もし、今なんでもくれるといったら、3日間眠り続けたい。ってそう言うだろう。
笙は眠い目をこすりながら起きた。
今日はこれとこれと…
内職する教科をかばんにつめる。
そして、天果との待ち合わせの場所へ急ぐ。
天果だ。
天果は、待ち合わせ場所で単語を覚えていた。
「天果〜。おはよ〜。」
「あっ、おはよう。」
「俺さあ、おととい返ってきた模試が最悪でさあ、あと105点だぜ。あと105点でB判。お前どうだったの?」
「あたしー?あたしはやったよ。順調に進んでるよ。」
「ちょっと見せてみろよ〜。」
「いいのー?自信なくすわよ?それより、遠距離イヤだからね。」
天果が、かばんから模試の結果を取り出した。
かばんには、いつのようにガラスの飾りのついた安全ピンが光る。
ガラスの飾りのついた安全ピン。
天果のトレードマークだった。
いつも天果はそのピンを大事にしていた。
前に聞いたことがある。
「天果ー。天果ってさぁ、テストの前は、どうしてその安全ピンを触ってるの?」
「いいの。あたしのお守りなんだから。」
それよりも…
かばんから取り出した模試の結果を見て、笙はびっくりだった。
「えー!!天果って校内1位だったのか?」
「まあね。」
「マジかよ?俺なんか…」
「もー!あと105点上げないと、離れ離れになっちゃうんだからね。絶対にがんばろうね。」
「わかってるよ。」
笙はあせっていた。
あと42日だ。
42日しかない。
正直なところ、残念な結果を想像することは容易だった。
合格発表の時、自分の番号だけない。
そして、天果にこう言う…
「天果ー。ごめん。俺、一生懸命にやったんだけど…」
「いいよ、笙。でも1ヶ月に一回は絶対に会おうね。バイトしようね…」
想像の中の天果は、いつもやさしい天果だった。
最近、そういう想像をついついしてしまう自分がいることに、笙は気づいていた。
学校に着いてからも、笙は悶々としていた。
これで本当に合格できるんだろうか?
いつものように内職しながら、そんな気持ちが消えなかった。
不安の中で覚える勉強は、頭に霞がかかったようで、本当にいい効率ではないと思いながら、他にできることがない自分に苛立ちを感じていた…
学校がすんで、本屋に寄ることにした。
国語がやばすぎるのだ。
このままじゃ、絶対にやばい。
何もやらないってわけにはいかない。
あせる笙の横を、爆音を響かせた真っ赤なスポーツカーが追い越していった…
「ゴールデンモンキー…」
笙はつぶやいた。
つづく。