なおちゃんが今日インドに発った。
コンストラクションのボランティアらしい。
実は僕はこの話は、前になおちゃんから直接聞いていた。
なおちゃんが今朝、僕にくれたメールを勝手に引用する(いいよね?なおちゃん?)
「おはようございます。
今日これからインドへ行ってきます。
日本と全く違う環境のインド。
住宅建設に行くけれど、どんな作業が自分にできるのか、もしかしたらほんとにちょっとしか作業させてもらえないかもしれません。
それでも私がインドに行く意味。
私が大学に入ってこの国際ボランティアに入ったのは、みかみ先生がフィリピンに行った記事を読んだことがきっかけでした。
それでも最初私はまだ大学生だし結局何もできないんじゃないかって思ってました。
その時にこの国際ボランティアを見つけて、私にもできることがあるんだってことを知りました。
現地に実際行ってみてわかること、学べること、今はまだわからないけど、このインド隊が終わったら一回りも二回りも大きく成長して帰ってきます。
学生だけど学生にしかできないこと。
私にしかできないことを見つけて、しっかり働いてきたいと思います。
将来につながるかつながらないかは自分次第ですよね。
それでは行ってきます。」
…朝から涙が出た。
なおちゃんがインドに行くって言ったとき、僕は戸惑った。
だって、インドって言ったら僕の中では難易度の高い国だ。
いきなり行く海外ボランティアがインドだなんて…
せめてインドネシアで練習してから言って欲しい。の気分だった。
…でも、なおちゃんは旅立って行った。
ぼぶは、何が何でも国連に入って、食糧事情で困ってる国の人々を助けたいという。
10000人助けたいと言う。
国境なき医師団に入りたいという子がいる。
海外に行って、僕と一緒に寄付してくれるって子がいる。
海外に行け。と言ってるんじゃない。
寄付しろと言ってるんじゃない。
しあわせって何だろう。
なおちゃんが勉強していた風景を何度も思い出す。
かわいい肩を震わせて、涙を我慢しながら壁に向かって勉強していた。
相当苦しいことがいつも伝わってきた。
向こうの見えない闇に、希望を信じて進んでいく日々だった。
ぼぶと将来の話をしたことがある。
しっかりと頷きながら、きちんと考えているようだった。
それからブログを読みながら、苦しい勉強を堪えて乗り越えていったのがよくわかった。
ぼぶの合格を聞いたとき泣いた。
自分の夢=他人の幸せ。
豊かだと思う。
僕も、昔、自分の小遣いや欲しいものだけしか見えていなかった頃よりずっと幸せになった。
だって、タイのヤフー村で今みんながどんな生活してるか想像できるようになった。
スモーキーマウンテンで今日もゴミを拾っている人がいるだろう。
目が見えなくなっていたあの子はちゃんとやってるだろうか。
自分ががんばるのは、自分のためでもあるが、それがきちんと周りの人への幸せとつながっていく。
私利私欲だけを考えていくのと、自分の夢が相手の幸せに置き換えられるってこと。
これは豊かさが全然違う。
みんなが育っていって、僕らもそこに携わっている。
一生懸命にがんばることは、自分のことでもあるが他人のことでもあるってことを伝えることができる幸せ。
この年になってもわからない。
しあわせってなんだろう。
でも、僕らがやってることはしあわせの一つの形態であることは間違いないんじゃないかって思う。
なおちゃん。
いってらっしゃい。
ちゃんといっぱい感じて、いっぱい学んで、いっぱい笑って、いっぱい疲れて…
元気にもどっておいでね。
なおちゃんが勉強してきたあの苦しい日々が、今ぴかぴか輝いていることがわかる。
なおちゃんが、他人を幸せにできますように…
そして、なおちゃんも幸せになりますように…